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パニック障害

●パニック障害とは

一般的に「パニック」というのは、災害など、思いがけない事態に見舞われた際に起きる混乱状態で、どんな人もパニックに陥る可能性はあります。普段は冷静な人が予期できない衝撃的な事態が起こった際に、落ち着きをなくしてしまうということがパニックに陥る、ということです。

「パニック障害」というのは、実際には何も特別な事態が起きていないのに、落ち着きをなくし、混乱状態になってしまう病気で、その症状は繰り返し起こります。予知できない、また、反復性の重篤な不安(パニック)発作であると言えます。

●パニック障害の症状

1) 発作時
  • 動悸
  • 息苦しい
  • 窒息感
  • 過呼吸
  • 胸痛
  • めまい
  • 汗をかく
  • 自分をコントロールできないという恐れ
  • 震える
  • 手足がしびれる
  • 頻尿
  • 腹痛や下痢
  • 吐き気
2) 発作の起きていないとき

発作が起きていない時にも、また発作が起こるのではないかという「予期不安」をしばしば体験します。特定の場所に対する「予期不安」が強まると、次の「広場恐怖」と呼ばれる症状になります。

典型的なパニック障害のケースでは、混雑した地下鉄内や雑踏で、上に挙げたような発作が起こりますが、その場合発作が起きた場所にまた行くことが恐くなり、それを避けます。これが「広場恐怖」です。映画館や、地下の狭いレストラン、車、教室などが対象になることもあります。いずれも、すぐには逃げ出せない場所とイメージされるようです。

3) 発作以外の症状

パニック障害の経過中に、 うつ病をしばしば併発することが知られています。逆に うつ病の患者様が、経過中にパニック発作を起こすこともよくあります。また、若年でパニック障害を発症すると、 うつ病だけでなく他の様々な精神疾患を併発する割合が高くなるという報告もあります。いずれにしても、早期からの治療が重要です。

●パニック障害の治療

パニック障害は、脳の機能的障害が基にあり、それに心理社会的ストレスが加わって発症すると考えられています。

多くの場合、症状に対して薬物がとても有効です。しかし、副作用が生じる場合もありますので、いかに副作用を少なくし、治療を続けていくかが私たちの役割です。治療により発作が消失しても、すぐに服薬をやめてしまうと、ほとんどの方が再発してしまいます。したがって、発作がなくなっても1〜2年間維持療法を続けることが、次に述べる完治を目指すためにも重要です。

最も確かな調査によると、この病気は専門家による治療を受ければ、 30 %の患者様は完治し、 40 〜 50 %の患者様は明らかに改善し、 20 〜 30 %の患者様は残念ながら改善を認めません。しかし、この病気の研究は進んでおり、今後はもっと良い治療成績が期待できると思っています。

●パニック障害を克服するコツ

治療以外にも、この病気を克服するための生活面でのコツがあります。カフェインは発作を誘発します。この物質はコーヒーだけでなく、栄養ドリンクや清涼飲料水の一部にも含まれています。ご注意ください。二酸化炭素も誘因となります。換気の悪い場所は避けた方が良いでしょう。発作が起きた時に、助けてくれる人がいると思うだけで、患者様は安心感をもつことができます。発作が充分にコントロールされるまでは、患者様の外出にご家族や、友人が同伴することは、とても助けになります。

いずれにしても、最も重要なのは、早期から専門医の治療を受けることです。